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WARUMON インタビュー 極道牧師 進藤龍也

プロフィール


進藤龍也
1970年12月23日生まれ。
1987年少年鑑別所収監。
1988年18歳 スカウトされ広域指定暴力団S会系の組員になる。
2000年28歳で、同じ系列の一家に移籍、組長代行に。
逮捕15回、前科7犯。懲役3回。

3回目の服役の際 。ある女性から差し入れられた聖書を読み、回心。
2003年出所と同時にヤクザから足を洗い、シロアムキリスト教会にて洗礼を受ける。
2004年JTJ神学校入学。
2005年母が経営するカラオケスナックで開拓伝道を開始。〔罪人の友〕主イエス・キリスト教会
2011年2つ目の教会〔罪人の友〕ザアカイの家 を、御茶ノ水クリスチャンセンターで開設。

現在、文通、面会を通して、日本各地の受刑者への福音伝道に務めており、出所しても行き場のない者たちを、教会へ受け入れ、社会復帰までのサポートもしている。
岡山刑務所教誨師会準会員、JTJ宣教神学校講師、刑務所伝道ミニストリー代表、VIP川口ホープチャレンジ代表(南三陸支援&薬物問題アドバイザー)を歴任。

キリスト教会にとどまらず、学校や企業、少年院、刑務所、仏教団体などでも体験談を交えた講演を行い、毎日全国を飛び回っている。
問い合わせ先 進藤龍也牧師『[罪人の友]ザアカイの家』

※団体名、個人名の表記は、全て進藤牧師の著作を踏襲しています。


これが進藤龍也牧師の公開されている経歴である。
会った印象は、経歴通りの、“モロヤクザ”と、まではいかないが、黙って見つめられると凄みがある。
でも、お洒落で、二枚目で、“ちょっとワルそうな兄貴”という感じ。
にっこり微笑まれると、なんだかこっちがうれしくなってしまう。そんな魅力的な人物だった。

(写真)万座温泉日進館 チャペルタイムの模様

〔罪人の友〕主イエス・キリスト教会


テレビなどでも数多く取材され、ご存知の方も多いと思う“〔罪人の友〕主イエス・キリスト教会”であるが、せっかくなので筆者も、一般信者の皆さんと一緒に日曜礼拝に参加することにした。

まずは、西川口駅前から送迎車が出ている。
13時30分と14時の2本。自家用車や、その他交通機関を利用する方も多いが、それでも送迎車を増発することもあるという。
そして到着したのが、〔罪人の友〕主イエス・キリスト教会。
進藤牧師の、母親の経営するスナックを改装したという建物。外観はまさにその通り。
中に入ると、意外と広い。そして設備がかなり充実していて、教会らしい雰囲気。
なんとエレキドラム、ピアノ、エレキベースの生バンドの皆さんもいる。
まずは、みなさんで挨拶。陽気な生バンドの演奏が流れる中、「お、〇○君。久しぶり。」などと交流を深めている様子。
そして進藤牧師の説教は熱く、やさしく。
プロジェクターや小道具を使って、できるだけ解りやすく、そして深く。
その内容は意外にも、まるで聖書研究のような正統派の説教だった。
「罪人の友」主イエス・キリスト教会
埼玉県川口市上青木西4-13-4
礼拝 毎週日曜日 午後2:30~
罪友お祈り会 毎週火曜日 午後12:30~
048-269-9559

「それがヤクザの野球チームだった。(笑)」


―この辺が地元ですか?
進藤:そうだね。このへんだね。蕨とか川口。

―で、グレちゃって。まず最初の逮捕は、少年院ですか?
進藤:少年院行ってない。鑑別所ね

―鑑別所はなんで?
進藤:暴力団でしたから。ヤクザの喧嘩で。
17の時かな。つまんない喧嘩で捕まっちゃった。

盃もらったのは、17歳の終わりくらいかな。
むかしは、“少年ヤクザ”、いっぱいいたから。
少年でも、少年課じゃなくて、マルボウに取り調べされてたよ。

―埼玉のS会ですか?
進藤:いや。17歳で入ったのが、池袋のK一家よ。
そんで、28歳の時、池袋から養子縁組して、新宿でやってた。

―著作では、28歳で組長代行ということなんですが、かなり順調な出世ですよね。
進藤:養子で行った先で、K連合K組で組長代行やらせてもらってたんだ。
たまたまだよね。

―不良少年から、ヤクザになる経緯を、お話しして頂けますか?
進藤:子供の頃から、不良だったんだけど。喧嘩で高校を退学になっちゃって、ふらふらしてたんだよね。
その頃、池袋のK一家の人達は、こっちの方に住んでる人が結構いたのよ。それがきっかけで、池袋のヤクザになったよね。

―そういう方々と、どういう場所でお知り合いになられたんですか?
進藤:それが(笑)。俺、草野球チームに入っててさ。
そこの人達を、なんか「金遣いが良いなぁ。」とか「男っぷりがいいなぁ。」と思ってたら、それがヤクザの野球チームだった。(笑)

―ヤクザになった理由っていうのは?
進藤:その当時の連中が、格好良く見えたんだよね。
そん時の一番の不幸って、いったい何?っていったら、
「ヤクザと付き合っちゃいけないよ。」って言ってくれる大人は、いなかった。ってことだよね。

―お母さんは?
進藤:だって、俺家にいないもん。(笑)

―じゃぁ、組に入ったのは、無理矢理とかではなくて?
進藤:ヤクザの、“型にはめる”なんてのは、むかしも今も変わらないんじゃないの?
良い思いさせてさ、格好良いとこ見せてさ。

それで、池袋のヤクザになって。シャブのバイやってたからさ、捕まるじゃない。
で、中で知り合ったのが、K連合の新宿の人で。その時、直接は知らなかったけど、組織は近いからって、俺の事拾ってくれて。
養子縁組っていうかたちで新宿に行ったんだよね。

K一家K連合K組組長代行。現在牧師


―新宿の組に行ってからも、またシャブで捕まるんですよね?
進藤:30歳の時にシャブで。(笑)
ただのシャブ中だよね。ほんとに。腐れですよ。

―その、3度目に捕まった時に、回心されて、キリスト教に。
進藤:うん、うん。

―組はすんなり抜けられたんですか?
進藤:ああ。その時は、シャブでクビ状態だった。
俺が一人でおかしくなってて、自分で逃げ出してさ。
刑務所から出てきた後も、しばらく経ってから「すいませんでした。」って辞めるつもりで、兄貴(組長)に電話したんだけど、
「長い懲役だったのぉ。」って。(笑)

―「ふざけんな。さっさと戻ってこい!」って怒鳴られなかったんですか?
進藤:んー。言われなかったね。

―兄貴(組長)としては、戦力として、進藤さんのことを、欲しいものなんじゃないですか?
進藤:兄貴は、そんなに腹の細い人間じゃないからね。

うちの兄貴ってのはね、北朝鮮籍の在日で。
俺が、組辞めたくて電話した時に、「親孝行したいんだ。」って言ったら、
「解った。」って言ってくれた。

―いやぁ、立派な方ですね。男気があるというか。そういう人はあんまりいないですよね。

―ヤクザやっちゃ駄目な理由って、なんですかね?


―ヤクザ。なんでやらない方が良いんですか?
進藤:まず、今の時代は、ヤクザっていうだけで、一般の人と付き合えない。

そして、一番の理由っていうのはさ、やっぱり、辞めたい時に、辞められないんだもん。
会社と違って、義理の世界だからさ。
上に立つもんの腹一つじゃん。「指持って来い。」って言うかもしれないし、「金持って来い。」って言うかもしらんし。

そして、罪を犯していく中で、「自分たちがヤクザなんだ。」って自分自身で洗脳して、すっかり、「俺はヤクザなんだぜ。」みたいになったら、もう、何が罪か解らなくなる。
罪を犯すことに、全然なんとも思わないで、バレなきゃ良いってことになる。
それって、今考えると、おぞましいことだよね。

俺、過去の自分に身震いするよ。
殺されそうになったし、殺しに行くこともあったしさ。たまたま殺さなくて良かったけど。
そういう世界に、よくいたなって、今なんか、ブルブルしてる。考えたくもない。

―こういうお話しを、今現在、ヤクザと関わっている若者に、一度読んでもらいたいですね。

―覚せい剤をやっちゃ駄目な理由って、なんですかね?


―クスリをシノギとしてやられてて。ご自身も(覚せい剤を)好きだったってことですよね?
進藤:それはそうでしょ。趣味と実益。
自分が好きじゃなきゃやんないよね。

―自分でシャブを使うようになったのは何歳くらいからですか?
進藤:10代かな。

―最初から、ポンプでバッチリやってたわけですよね?ちょっと"あぶって"なんかじゃなくて。
進藤:そんなの、昔無かったよ。

―どれくらいの頻度で(覚せい剤を)打たれてたんですか?
進藤:ま、一日、朝、昼、晩、寝る前。とか。

―キマリっぱなしだったんですね。
進藤:新宿のK連合にいた時、自分でやめるっていう決意持って、最初の一年間はやってなかったけど。
でも結局駄目だったね。

―まわりに、やめろって言う人はいなかったんですか?
進藤:いっぱいいたよ。うちの兄貴なんかも、「絶対お前やるなよ。」って言ってたけど、そんなんでやめれたら、シャブじゃないでしょ。

―シャブをやめるのは、本当に大変なんですね。
進藤:ま、あれはホントに、神の奇跡でやめられた。

―「裸で電柱登っちゃう。」ようには、ならなかったんですね?
進藤:理性はキープできてた。

―ムショに入ったばっかりの時っていうのは、中で禁断症状が出て、かなり苦しかったんですよね?
進藤:いや、無いよ。
留置所ん時に、20日拘留くったら、食っちゃ寝。食っちゃ寝だから。
それで大体抜ける。

―"震えて、ぶっ倒れてる"みたいな禁断症状っていうのは?
進藤:そういうのは、ないない。
シャブでは、よっぽど、ひどい奴とかじゃないと無い。

俺なんか、ほら、定期的に捕まってたから。
3回懲役行ってるから、そういう意味では、守られてたんだよ。
捕まった時は、「ツイてねーなー。また捕まっちまった。」と、思うけど。
今振り返れば、15年のヤクザの中で、半分刑務所ってことはさ。半分やらない期間があったからね。
捕まんないで、15年間やってたら、たぶん自助グループとかで、こんなんなってたね。

―じゃ、警察に感謝ですね。
進藤:そういう意味では、本当に警察に感謝だね。

アーメン。また会いましょう!


〔罪人の友〕主イエス・キリスト教会には、毎回必ず、遠方から訪ねてきているキリスト教信者の方がいらっしゃるという。
取材当日も、遠方から来ている方が数名いて、その中のお一人、長野県からわざわざ進藤牧師に会うために、“〔罪人の友〕主イエス・キリスト教会”を訪れたという方がいた。

進藤:何でここを知ったの?
男性:あの、今までも別の教会に行ってまして。先生の著書で感銘を受けました。
~しばし歓談~

進藤:じゃ、祈るね。
神様、兄弟のことを今祝福します。
そして松本からここまで来た、その信仰を祝福します。
どうぞ健康に守られますように。
この子らの人生を守られますように。
イエス様の名に通して祈ります。

アーメン。
また会いましょう!

取材後記


私は、特定の宗教を持っていない。
無責任に宗教の勧誘をするつもりは毛頭ない。
でも、今回の取材を終えて、進藤牧師は、「こういう世の中に必要な人間なんだなぁ。」と感じた。

世の中には、生きていくのが辛くて、不本意ながら、クスリに手を出したり、自殺する人間がたくさんいる。
これはまぎれもない事実だ。職業柄、私のまわりにもたくさんいる。

でも、ヤクザや、シャブ中や、風俗の女の子が、区役所の職員や弁護士、教会だとしても、外人の神父や、真面目そうなおじさん牧師の前に立って、
「私、ヤリマンで…。」とか、「自分はヤクザなんですけど。」
なんて言えるわけないと思う。せっかく門戸を開いてくれている、そういう人達には悪いけど、そんな姿想像できない。

でも進藤牧師になら、普通に言えると思う。
だって、彼は元ヤクザだし、シャブ中だし。今だって、聖人君子みたいには、お世辞にも見えないからだ。
冒頭で書いたが、良くも悪くも、不良っぽくて格好良い兄貴みたいな人。
こういう人が、「罪びとを助けたい。」と、言っている。これも事実だ。

偽善めいたことは言いたくないけど、
「普通の女の子の生活に戻りたい。」っていう風俗嬢が、薬漬けになるのなんて見たくないし、ましてや死んでしまったら嫌だから。
ヤクザ辞めて親孝行しようと思っている人が、やり方解らないだけで、辞められなかったら勿体ないから。
そういう人が、本当に絶望の淵にいたら、「進藤さんとこ行ってみたら。」と、伝えてみようかと思う。

Interviewer Profile
彫昌(ほりしょう)
東京都豊島区池袋で彫師として活動中。
WARUMONの編集長として、数多くの著名人にインタビューを行っている。
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